イラストSS

「輝かんばかりのこの夜にィやああああ、ちょっと、ちょっと待つんだユリーカ君！！！」
　恐怖！　とらぁ君による鬼ごっこ！
　ずんずんずんと二足歩行で走り寄ってくるとらぁ君の上には肩車をして貰って楽しんでいるユリーカの姿があった。
「とらぁああああああ」
　一緒に遊ぼうと言って居るのか。それともその背骨を折ってやると言って居るのか。
　ユリーカを乗せたまま、勢い良くマリアを追掛けてくるとらぁ君は止まることはない。
　土煙を上げて勢いよく走るとらぁ君の上ではユリーカがくつくつと喉を鳴らして笑っていた。
「くっくっく。そうです！　その勢いの儘、にゃんこをキャッチするのです。
　大丈夫なのです。とっても強い虎ですから、にゃんこはこれしきのことで倒れないのです」
「猫じゃあないんだよ！」
　そうは言いながらもとらぁ君の前では猫同然の愛らしさ。マリアなんて掴んでぽいっとけちょんけちょんだとでも言いたげなとらぁ君は「ちょっとこっちにお出で」と言いたげに全力疾走してくる。
「とまっ、止まって――ちょっと息が切れて……ぜえ、待って、待つんだ！」
　待たないよととらぁ君はそれでも尚も追掛け続けた。


　＊SS担当：夏あかね