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善と悪を敷く 天鍵の 女王の御崎ゆずるはによるおまけイラスト
善と悪を敷く 天鍵の 女王の御崎ゆずるはによるおまけイラスト
イラストSS
セフィロトドームは点滅している。冬風を演出した『ドーム内空調』の中、レジーナはリーゼロッテを後ろに勢い良くバイクのエンジンを吹かせた。
低く響いたエンジン音。腰に手を回し、跨がるリーゼロッテの髪が柔らかに靡いた。
タンデムをした姿勢で、レジーナは「行きますよ」と声を掛ける。確り掴まっていてと囁き振り落とさぬように丁寧さを心掛けて走り始めた。
ひゅうと冷たい風を切る音。続き、勢い良く車体を押し進めるトルクエンジンの爆発音。すいすいと前進するそれは心地良い。
幻想王国の馬も良いが、練達産のバイクなどはまた別の感覚を味わうことが出来た。
「お嬢様、どうですか?」
「ええ。とても寒いですわね」
「そ、そうですね」
「――けれど、悪くはありませんもの」
揶揄うように笑った彼女にレジーナは頷いた。彼女が求めるならば何処へだって行ける。
セフィロトのイルミネーションが良いだろうか。人工の浜辺に、練達を飛び出せば、世界各国の様々な景色を見せることだって出来る。
「お嬢様、次は何処へ行きましょう?」
「あら、エスコートして下さるんでしょう?」
勿論だとレジーナは微笑んだ。
*SS担当:夏あかね