イラストSS

●あの、聞いてないんですけど

「は、はっくしょん！」
　ずぶ濡れになったことで、名実ともに清らかになったリアとクラリーチェは、濡れた寒さに凍えながら更衣室で着替えていた。
　事の発端は、敬虔な修道女としてミニスカサンタ衣装でプレゼント配りを行った際、会場のスプリンクラーらしきものが誤作動を起こしたこと。
　いくら暖炉にあるからよはいえ、寒いものは寒いに決まっている。
「これは……クラリーチェも、早く着替えたほうが良いわ」
　リアはたわわに実った胸部を吹きながら、くしゃみが止まらないクラリーチェを一瞥し、淡々と着替える。
　それに対してなぜかあちこち服が破れているクラリーチェは、着替えながら不満を漏らしている。
「どうしてこんなことに……。はくしゅん。兎に角髪を乾かして、換えの衣装に着替え……。待ってください。布地殆どない衣装ばっかりじゃないですか！」
　はぁ、と大きく一つリアはため息を吐く。太もも辺りまで下げてぼそりと一言呟いた。
「あの、流石にこうなるとは聞いてないんだけど」

繰り返すが2人はあくまで「敬虔な修道女」である。
そう、そこに、やましい気持ちなど。
我々は抱いてはいけないのである。


　※SS担当者：水野弥生