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深夜:領地の子供達へバイト先の余剰品を配布。格好はサンタモチーフだしこのままでいいだろうと判断
深夜:領地の子供達へバイト先の余剰品を配布。格好はサンタモチーフだしこのままでいいだろうと判断
イラストSS
シャイネンナハトは聖なる夜。
奇跡だって起こるはず。例えば、しっかりと施錠された部屋に、プレゼントを持った人物がどこからともなく入り込むとか。
「まぁ、奇跡ではなくて、スキル、なのですが」
瑠璃はくすりと笑いつつ、内側から施錠された扉を確認した。
「よしよし、ちゃんと施錠されてますね。うん、ここは多少は治安は良いですが……それでも、子供たちだけとなれば、不安ですから」
南京錠と、太い木の枝による閂。それが動かないのを確認してから、瑠璃は手にした袋をガサガサと漁った。
「ええと、ここの子は……確かもう少しで成人する男の子でしたね。なら、お菓子よりも、実用的なものがいいかもしれません。毛布……は質実剛健すぎますか。ああ、カッコいいデザインのナイフがありましたね!」
バイト先で売れ残り、買い取ったお菓子やケーキ、雑貨の類が詰まった袋。プレゼントのつまった袋と言い換えれば、夢も膨らむというもの。瑠璃はバイトの帰りに、こうしてスラムの子供たちに、プレゼントを配っているわけだ。
「よしよし、ちょっとリボンでも結んであげましょう。雰囲気が出ますね」
微笑んで、メッセージカードと共に、テーブルの上に置いた。この子は朝起きて、どんな顔をするだろう。そう考えると、此方もなんだか楽しみだ。
「さぁて、次の家に行きましょうか」
そう言うと、瑠璃はあっという間に、家から姿を消したのだった。
*SS担当:洗井落雲