イラストSS

「いやぁ、いいお湯だったね！」
「そうだな。星空も綺麗だった」
　露天風呂からの景色をラダ・ジグリ（p3p000271）は思い出す。光源と離されているから星の灯りが鮮明で、湯に反射したそれはまるで星の海を漂っているかのような心地だった。
「でも、未成年に思われるなんてびっくりしちゃったよ」
　レーヴェン・ルメス（p3n000205）が小さく口を尖らせて、それからふふっとこらえきれずに笑いだす。
　露天風呂に酒が持ち込めると聞いたのだが、レーヴェンが未成年に勘違いされ待ったをかけられたのである。実際はラダより年上なのだが――先ほどの仕草だとか、そういう一挙一動が幼く見せてしまうのだろう。
「まあ、レーヴェンだしな」
「ええっ、どういう意味ー！？」
　ともあれそんな誤解も解けて露天風呂でも楽しんだが、晩酌はまた別だ。徳利に酒を注いだなら小さく口を付け、離れていた間の話題に花を咲かせる。
　ラダは西の大陸にいた間のあれこれや、商売の話。レーヴェンは豊穣に渡ってきてからの話や、やっぱり商売の話。
　外は雪が積もって寒いけれども、室内は程よい暖かさで、酒と積もる話が2人の身体をより温める。
　客室の灯りが落とされたのは、すっかり夜も更けた頃合いだったそうだ。


　※SS担当者：愁