イラスト詳細
オウェード=ランドマスターのkzgr_によるおまけイラスト
イラストSS
「か、輝かんばかりのこの夜に、じゃ……」
緊張を滲ませながらオウェードが声を掛けたのは小さな少女、リトル・ドゥー。
にんまりと微笑んだ彼女を連れて来たのは天狐が経営しているうどん屋台だ。
「此処が美味しいうどんやさん?」
「そ、そうじゃよ……」
頷いたオウェードにリトル・ドゥーは「わあー」と瞳を輝かせた。
「うどんクダサイ!」と声を上げたのはドゥー――ではなく何故か勢い良く挨拶をしてテーブルへとついたオウムである。
『自分を守護鳥と思い込んでいる一般オウム』ポリネシアJr.は天狐に注文を勝手に通した。
「はーい! うどんじゃな! 任された~!」
勿論、うどんを求める声を聞けば、最高のうどんをご賞味頂くほかにない。
うどんの神様もそう言っていた。天狐はにんまりと微笑んで、リヤカーうどん屋台『麺狐亭』で最高級(?)うどんを茹で上げるのだ。
荷台の食事スペースでリトル・ドゥーが届くようにと椅子に座布団を置いてから「座りやすいかのぅ」とオウェードは彼女を誘う。小さな少女はちょこりと座ってから「大丈夫!」と頷いた。
「おうどん、楽しみだなあ」
「楽しみダナアアア」
ポリネシアJr.と声を合わせて体を揺らがすリトル・ドゥーにオウェードはうんうんと頷いた。
折角の食事だ。美味しい物を楽しんで欲しい。サイダーとジュースを注文して手からオウェードは「頂きます、じゃ……」と手を合わせた。
「頂きます! わああ、美味しい!」
瞳を輝かせるリトル・ドゥー。その笑顔を見るだけでオウェードも天狐も心の底から嬉しくなる。
天狐などは寸胴鍋を優雅に扱いながら『(=ω=)』の表情を浮かべるほどだ。
「美味しいネエエエ」
叫ぶオウムの言葉にまたしても『(=ω=)』と笑みを浮かべて、天狐はポリネシアJr.にも食べられるように準備をしてやろうと決めたのだった。
寒い冬には温かいうどんを。箸を使い慣れていない少女がフォークであちあちと言いながら食べる様子を眺めながらシャイネンナハトの時は流れる。
*SS担当:夏あかね