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オウェード=ランドマスターのみっくによるおまけイラスト
オウェード=ランドマスターのみっくによるおまけイラスト
イラストSS
パーティー会場で穏やかに微笑んでいる青薔薇の背をオウェードは見守っていた。
聖なる夜と言えども貴族は多忙だ。彼女の護衛役としてその無事と安息を見守る必要がある。
幻想貴族は何時、何処で斯様な事態に陥るか分からないからだ。
「ミッシェル」
振り向いたリーゼロッテの傍に小さなトナカイが居た。それがドレスの裾を引っ張ってぴょんぴょんと跳ねているのだ。
「ミッシェル、おやめなさい」
静かな声音で伝えるリーゼロッテだがトナカイは楽しむ余りに言うことを聞きやしない。
その角がドレスをくい、と持ち上げてあわや足元が露わになってしまいそう――な刹那。
「ああ、リ、リーゼロッテ様……!」
慌てた様にオウェードが声を掛けた。その傍では慌てる『オウェヤデ』が羽ばたいている。
当のミッシェルは突然オウェードに抱きかかえられた事が不服だと手脚をばたつかせていた。
難を逃れはしたが淑女たる者、素足を見せることは余りに好まれない。例え、彼女のドレスが何層にも重なるフリルとレースで豪奢な出来だとしてもはしたないことには違いないからだ。
「……見ていたのなら止めなさいな」
僅かに頬は赤らんでいるが怨みがましい視線が此方に向けられたのだった。
物珍しい彼女の拗ねたような仕草にオウェードとオウェヤデは顔を見合わせた。
*SS担当:夏あかね