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黎 冰星のくらいによる2人ピンナップクリスマス2021
黎 冰星のくらいによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
●Again someday, maybe Three seconds.
烟る粉雪の中、ぎぃ、ぎぃ、と軋む繰る繰る木馬はひやりと冷たく、廻り続ける其の乗り物はぴかぴかに飾り立てられた世界を後目に、何処にも行けないのに、何処までも行ける心地にさせるのだ。
首に提げたポップコーンバスケットは、甘い――キャラメルと、しょっぱい――ソルトを半分ずつ。
美味しそうなクランチ・チョコレートは輝かんばかりの此の夜が名残惜しい自分達へのお土産に。
「ねえ、冰星。こんなおまじないを御存知? メリーゴーラウンドの上で愛を囁き合ったふたりは此処では無いふたりだけの何処かの世界へ行って幸せに暮らせるのよ」
「ええっ、何だか少しだけ怖い様な……」
「ふふ、だからね――在这个世界上最喜欢你!」
「我也最喜欢你! 嗚呼、男として、夫として、そう云われて返さない訳にはいかないじゃ無いですかー!」
『えい、何処にだって連れて行け』――そう、ぎゅうっと目を瞑った彼に彼女は鰾膠も無く『嘘ですけど』だなんて。
「酷いですよ小羽さん! でも僕も嘘を吐きました。本当は貴女となら何処か識ら無い場所でも幸せです」
「……! もうっ、你不要耍滑头!」
※SS担当者:しらね葵