PandoraPartyProject

イラスト詳細

可憐な姫、お手を

作者
人物 エルス・ティーネ
ナターシャ=アルバトフ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 シャイネンナハトを目前に控えた、冬の或る日――華やかに飾られた大広間は、ドレスとタキシードで着飾った貴族の社交の場。
 楽団の奏でる円舞曲の中、深い群青のドレスの裾を揺らしエルスが微笑む。
「ナターシャさん、今日はパーティーに誘ってくれてありがとう」
 元世界において高貴な血の一族であったエルスにとって、華やかな場は久方ぶりといえど慣れたもの。
「いえ、私も可憐な姫をエスコート出来る権利を頂けて光栄です」
 白きパンツドレスを纏うナターシャは、恭しく首を垂れる。この場において麗しい花が二輪とあれば、我こそダンスの相手をと近寄る虫も居たが――
「私が先約ですので」とナターシャは其れを跳ね除けて。
「ああ、けれど御免なさい。ダンスは久々だから足を踏んでも許してね? なんて」
 身長差のせいか上目遣いになるエルスの言葉に、大げさに肩をすくめたナターシャが返す。
「美しいお姫様と踊れるのですから、怒ったりしませんよ」
 フロアに響く曲が切り替われば、ナターシャはす、と手を差し出す。
「さあお手をどうぞ、エルス様」
「えぇ、よろしくね」
 エルスは手を取り、二人曲へと身を委ねる。
 二輪の花は――華やかに咲き誇っていた。


 ※SS担当者:飯酒盃おさけ

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