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イラスト詳細

タイムのたぢまよしかづによる2人ピンナップクリスマス2021

作者 たぢまよしかづ
人物 タイム
天香・遮那
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 豊穣に訪れる静夜は他国の煌びやかな飾りよりも、柔らかな色合いを映し出す。
 葉の落ちた木々は寂しさを覚えるけれど、それでも春になれば満開の花を咲かせるのだ。
 その在り方を豊穣の人々は好ましく思っている。

 夜空を見上げれば星々が輝き、瞳の中に落ちてくるようだ。
 されど、美しさと裏腹に冬の空気は冷えて寒々しい。
 楽しい街の灯りに酔いしれて、すっかり悴んだタイムの手。
 赤くなって水分が奪われたようにかさつく関節部に遮那の視線が止まる。
 はぁと息を吐いて指を擦ったタイムの顔を覗き込んだ。
「タイム、手が寒いのか?」
「そうね……少し指先が冷えるわね」
 彼女が緩く笑うのに、遮那は自らの手袋を外し冷えた指先を包み込む。
「こうすれば寒くはないだろう?」
 目を見開いて視線を上げるタイムは自らの手に伝わる温もりと、以外と大きな手に頬を染めた。
「……ええ」
 自分でも驚くほど上ずった声が喉から出て、タイムは気まずそうに視線を落す。
 普段は口数の多いタイムが大人しくなってしまったのを不思議に思いながら遮那は琥珀の瞳を細めた。
「ほら、温かくなってきた」
 じんわりと広がる熱と、遮那の微笑みにタイムも緩く口角を上げた。

*SS担当:もみじ

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