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イラスト詳細

エルス・ティーネの弐壱百による2人ピンナップクリスマス2021

作者 弐壱百
人物 エルス・ティーネ
ディルク・レイス・エッフェンベルグ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

3  

イラストSS

●ワロスさん
「離れませんから!」
「おいおい」
「はーなーれーまーせーんーかーらー!!!」
 ディルク・レイス・エッフェンベルグは少し呆れて、溜息を吐くしか無かった。弾丸のように飛びついて胸元に顔を埋めたまま、接着剤より強かにくっついて声を上げているのは『あの』エルスである。
(……誰だ、こいつに吞ませたのは)
 ディルクは他人事のように考えて当然「俺だ」と合点した。
『押し倒した事は幾らでもあるが、その逆は滅多にない』。
(この先のプランはあるのかねェ)
 頭をぐりぐりと押し付けるエルスにディルクは彼には非常に珍しい弱り顔を見せていた。
『聖夜らしく、彼女の望むエスコートをしてやったのはついさっきの話』。雰囲気は十分で、背伸びをして。その時間を満喫しようとするエルスはついつい飲み過ぎた。緊張と不安と期待の綯い交ぜをカクテルにして、ディルクと同じペースで杯を開けたものだ。
(それでこれって訳)
「好きです。大好きです」
(知ってるけどよ。
 お嬢ちゃん素面になったら爆発するんじゃねェか?)
「愛してますから!!!」
 論理的思考より本能の爆発したエルスを止める者は無い。
 流石のディルクもこの時間には閉口して――いや、彼は堪え性が無いから彼女の長い髪を指先で弄んで、囁いた。
「離れねーと、喰っちまうぞ?」
「……」
 ローレットとの国際問題は真っ平だが……
 潤んだ瞳で自身を見上げたエルスがコクコクと頷くから、まぁ。
(いっか。レオン位。どうって事ねえだろ――)
「――ふぇ!?」
 一瞬の早業であった。
 砂漠の獣は軽い気分で『体勢』をぐるりと入れ替える――

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