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カイト・シャルラハの鹿野慈による2人ピンナップクリスマス2021
カイト・シャルラハの鹿野慈による2人ピンナップクリスマス2021
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夜景の上を飛ぶ、ふたつの影。
ひとつは大きく白い雪だるまのような神霊、『太陽の翼』ことハイペリオン。
その横を飛んでいるのは海洋でその名が知られるカイト・シャルラハであった。
「ハイペリオンさまが守った国は、今日もきれいに輝いているな!」
「私が守っただなんて……」
ハイペリオンはそのシンプルな顔でフッと笑った。
友の開くパーティーへと向かうため、二人は雲がかかるほどの空を飛んでいる。
広がるオレンジ色の風景は、彼らの生活が温かく豊かであることの証明だ。
「この町は、あなたが守ったのです。大地の子……いいえ、カイトさん」
「だったら、『俺たち』だな」
幻想の国を護るために戦った思い出が蘇る。
いくつもの戦いのなかで、特に記憶に深いのはどれだろう。
共に大空を舞い古代の獣たちを倒したことだろうか。
巨大なハイペリオン様と共に同じく巨大な古代獣に挑んだことだろうか。
はたまた、戦いの合間に休憩し、草原地帯にごろんと一緒に横になったことだろうか。
どれも大切な思い出で、カイトは思わず顔が笑み崩れた。
「これからも……この景色を見ていきたいですね」
「……そうだな」
永き眠りから目覚め、知る者もいなくなったこの世界。
けれど、友も思い出もこれから作っていけばいい。
カイトたちと、共に。
担当GM:黒筆墨汁