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レッド・ミハリル・アストルフォーンのみっくによるおまけイラスト
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輝かんばかりのこの夜に!
さあ、第2ラウンドがやって来た。先程はアーベントロート・スープレックスを見事に決められた寛治であるが、次は何が起るかレッドは固唾を呑んで見守っている。
シャイネンナハトだ。それはそれは素晴らしいエスコートをする筈だった。
しかしやむを得ない事情があり、夢の様なシャイネンナハトは成されない予定である。
――さあ、どうなるどうなる……!?
所謂、二度漬け。一度の攻撃を受けた後だが立て直せるか、新田寛治。レッドはウキウキとした様子で見守っていた。
「それでも立ち上がりますのね」
「……ふっ、これでもお嬢様とは長い付き合いですから」
乱れた髪を整え、スーツに付いた塵や雪を払ってから寛治は冷静に立ち上がった。
眼鏡のブリッジに指先を添え、輝きを放ったそれを眺めてからリーゼロッテは「まあ」と口許を覆い隠すように手を遣った。
「嬉しいことを仰いますの――ねッ!」
風を切るかの如く勢い良くリーゼロッテの腕が伸ばされた。
普段ならばそれをも避け、直ぐに仕込み済みの傘を構えることだろう。だが、漢・新田はお嬢様(かわいいおひめさま)相手にそんな野暮な反応はしない。
乙女が触れてくるのだから其れ等全てを受け入れてこそなのだ。
――先に動いたのはリーゼロッテお嬢様っすーー!
実況席のレッドが拳を振り上げた。興奮した様子で立ち上がったレッドの前で、リーゼロッテは寛治を掴む。
勢い良く寛治の体を跳ね上げた暗殺令嬢。1Hit!
その勢いのまま、足を掴み、大地へと勢い良く叩きつけた! 2Hit!
身を捻ることもなくその全てを受け入れた寛治の頭部が大地へとめり込んでいく! クリーンヒット!
「ぶへっ!」
何とも言えない声を出し大地へ埋もれていく寛治を冷静な目で見詰める暗殺令嬢にレッドは「うおおお」と雄叫びを上げた。
これは素晴らしい。素晴らしすぎる技だ!
10点満点の札を勢い良く掲げレッドは興奮した様子で叫んだ。
――き、キマったー! アーベントロート・シュタイナー!
*SS担当:夏あかね