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イラスト詳細

アンジュ・サルディーネの碧による3人ピンナップクリスマス2021

作者
人物 アンジュ・サルディーネ
久留見 みるく
パーシャ・トラフキン
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

「ねぇ、今時間ある?」
「俺たちとお茶しない? いい店知ってんだよね」
 ツリーの前で話していたアンジュとパーシャに軽薄そうな男達が声を掛ける。所謂ナンパという奴だ。
「え、えっと……」
「結構です! 人待ってるんで!」
「いいじゃん、ちょっとくらいさぁ」
「なんならその子も一緒でいいから」
 断ってもしつこく食い下がり、挙げ句の果てに隙を見ては肩を抱こうとしてくる男達に困り果てていた時だった。

「あたしの連れになんか用?」

 桔梗の様に凛とした声が響く。ヒールが石畳を蹴る硬い音が足早に近づいてきたと思うと、パーシャの華奢な肩を抱こうとしていた不埒な手がパシッと払われた。痛みで男の元へ戻っていった手の代わりに、伸びてきた白魚の様な手が彼女等を護るようにアンジュとパーシャの肩に回された。
「もう! 遅いよ!」
「ははっ、ごめんね? 大丈夫?」
「は、はい……」
 頬を膨らませたアンジュに軽く謝り、こくこくと頷くパーシャのに微笑んでからみるくは男達に向き直る。
「この子達、あたしの連れなの。あなた達はお呼びじゃないんだけど?」
 突如として現れた麗人(ヒーロー)に言葉を詰まらせた男達に挑戦的な笑みを投げかける。その透き通るアメシストの瞳に宿る意志は強く、鋭かった。
「しつこい男は嫌われるわよ」
 最後の警告だと言わんばかりに、笑みを口元に乗せると、男達はその場を逃げる様に足早に去った。
 その情けない背中を睨め付けた後、みるくは二人に遅れた事を詫びる。
「本当だよ! あの人達本当にしつこかったんだから!」
「で、でも来てくれて良かったです……」
 気恥ずかしそうに手を擦り合わせていたパーシャがみるくを見上げてはにかんだ。その鼻の頭をつんと軽く突いた後、みるくは二人の肩を抱いて歩き出す。
「じゃっ、取り直して美味しいご飯食べに行きますか! シャイネンナハトだからね、豪華にしよう!」
「楽しみです……!」
「パパの分もあるよね?」
「もちろん」
 その返事に青いマフラーを巻いた羽の生えたいわしが嬉しそうに一回転した。
 こんがりと焼いたジューシーな七面鳥の丸焼き、温かいシチューを包んでカリッと焼き上げたシチューパイ、生クリームと新鮮ないちごを使ったショートケーキ、いや聖夜らしくチョコレートと粉砂糖で飾ったブッシュ・ド・ノエル……。


 ※SS担当者:白

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