イラスト詳細
隠岐奈 朝顔のせたあおこによるおまけイラスト
隠岐奈 朝顔のせたあおこによるおまけイラスト
イラストSS
『しゃいねんなはと』――海向こうからもたらされたその文化。豊穣においては当代の帝の誕生日ということもあってか、二度目ながらも京では一種の祭りとなっていて――けれど郊外へと離れれば、穏やかな雪の日にすぎず。
「はい、リリー先輩。このクッキー、さくさくしててとっても美味しいですよ!」
海心・夢野地区――この海を臨む場所で、リリーと朝顔はのんびりと過ごしていた。
朝顔が指先で摘まむのは、傍らのホールケーキに乗った星型のクッキー。朝顔にしてみれば手のひらサイズのケーキに乗った指先程の小さな星も、小柄なリリーから見ればまぁるいベッドの星のクッション。
「いいのっ? わーい、それじゃあいただきます!」
うんしょ、と両手で持ったクッキーを齧れば、リリーの口には甘さが広がって。
(……あ)
夢中で食べ進めるリリーの口元にクッキーの欠片が付いているのに朝顔が気付くと、そっと指先でそれを除ける。
「ふふ。リリー先輩、口についてました」
「あれ? んー、恥ずかしいなっ」
えへへ、と首を傾げるリリーの頬に朝顔は指先をつんつんと遊ばせて。
(やっぱり可愛くて、癒されるなぁ……)
朝顔の心は、じんわりと温かくなるのだった。
※SS担当者:飯酒盃おさけ