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イラスト詳細

ユーリエ・シュトラールの黒猫による2人ピンナップクリスマス2021

作者 黒猫
人物 ユーリエ・シュトラール
エリザベート・ヴラド・ウングレアーヌ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS


 ユーリエ・シュトラール(p3p001160)とエリザベート・ヴラド・ウングレアーヌ(p3p000711)は、ユーリエの妹エミーリエ・シュトラールの三人で、イルミネーション輝く街並みを一望できる夜景スポットにきていた。
「わぁ~」
 歓声をあげながら、エミーリエが高台の柵に向かって駆けだす。
 まるで宝石をちりばめたようだ、とはよく言ったものだ。他所はともかく、ここはその言葉が嘘ではなくしっくりとくる。
 ユーリエは微笑みを浮かべてエリザベートの手を取った。
「ここの高台からの夜景は1000力ラット級ですね」
「1000力ラット級?」
「この夜景の美しさを宝石のカラット数で表してみました」
 カラットは大きさやサイズではなく重さの単位であるのだが、そんなことはどうでもいい。要するに、それだけ魅力的だということだ。
「私にはユーリエさんの笑顔のほうが、ずっとキラキラしていて美しいのです」
「ふふ。ありがとう、エリザベートさん」
 ふたりで見つめ合っていると、一向にこない姉たちに痺れを切らしたエミーリエが、「なにをしているの。早く。こっち、こっち」と手招きした。
 エリザベートを真ん中にして、左右を姉妹で挟む。
 宝石箱のような夜景には、家やビルの黄色や赤やオレンジなどのいろんな明かりの色が混ざっていて、遠くのほうにチカチカと揺れ動く光が見える。
 ユーリエはその一点を指さした。
「ねえ、あれ、なんだろうねー?」
「どれどれー?」
 エミーリエが手すりの上に身を乗り出す。
 一番先に答えを見つけ出したのはエリザベートだった。
「あれは……たぶん、灯台の灯りなのです」
「そう言えば、ここからそう離れていないところに海がありましたね」
 街の灯りがあまりに眩くて、海は影になっていた。
「あ! あそこを見てお姉ちゃん!」
 今度はエミーリエが海の一点を指さす。
 蛍のような光が、すぅーと黒いビロードのような海の上を、左から右へ滑っていく。
「船?」
「ええ、船ですね。たぶん」
 ぴかぴか光るイルミネーションを飾りつけられて、シャイネン・ナハトの夜に港を出た船ではいまごろ、豪華なパーティーが開かれていることだろう。
「いいなぁ。ねえ、お姉ちゃんたち。来年のシャイネン・ナハトは三人で船に乗ろうよ」
「いい子にしていたらね。考えておく」
「はーい。いい子にしています」

 コート姿でシャイネン・ナハトのイルミネーションを見下している三人の女の子たち。三人の笑顔にフォーカスを当ててみると、かなり冷え込んでいるのに独特の、ほんわかとした温かみが伝わってくる。
 キラキラ輝く夜景を前にして、三人はひとときの幸福感に酔いしれた。


 ※SS担当者:そうすけ

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