イラストSS

　白銀の世界。雪化粧の森に並んだのは雪を固めて作ったランプシェード。
　色とりどりの灯は可愛らしい形にくり抜かれた隙間から漏れ出ていた。
「どう？　プルーちゃん。とーっても綺麗でしょう？　見せたかったのよ」
　可愛いでしょうと周辺を見回して「じゃーん」と大袈裟な仕草で示したジルーシャにプルーは小さく頷いた。
「ええ。とても色彩が溢れていて……インディペンデンス・ネイビーの夜空も暖かく感じられるわね」
　はあ、と白い息を吐いたプルーにジルーシャは「そうでしょう」と微笑んだ。
「けれどね、一番見せたかったのはアレ。見える？」
「……あれは？」
　ゴーストアップルと指差して。枝から下がったそれがジルーシャとプルーを見詰めているようにも感じられた。
「綺麗ね」
「そうでしょう。光があの子を照らせば、違う表情を見せてくれるの。
　こんな綺麗な景色だもの。独り占めしたくなっちゃうけれど……今日はシャイネンナハトだからね？」
「ええ。一緒に分け合ってくれて嬉しいわ」
　ころころと笑ったプルーにジルーシャは「喜んでくれて嬉しいわ！」と華やぐ笑みを浮かべて見せた。

　＊SS担当：夏あかね