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御幣島 十三の勝による2人ピンナップクリスマス2021
御幣島 十三の勝による2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
雪が夜を覆う。真夜中、フィーネ・ルカーノ (p3n000079)は柔らかなソファからシャム猫のように立ち上がり、バルコニーに続く窓を開いた。
「ごきげんよう、今日は此処にいたのね」
フィーネは白い息を吐きながら、御幣島 十三(p3p004425)を真っ直ぐ見つめた。
「ええ、特別な日と、貴方をお祝いしたくて」
十三は青い小箱を差出し、微笑む。咥えた煙草が小刻みに震えている。赤い指の先にはスイセンのブローチがあった。
「貴方は死ぬの?」
フィーネは問うた。白煙では消すことなど出来ない、十三から血の香りがした。
「そうかもしれません。ただ、そうだとしたら……貴方は……」
言いよどみ、十三は崩れ落ちた。
足を引きずり、真っ赤な腹をおさえ、誰のものでもない貴方を想った。誰よりも、愛を贈られていると、知っていたはずなのに。
「……貴方を愛してる。それはきっと、貴方が想像している以上に! だから、今だけでいい。偽りでも、何でも……俺は貴方の愛に溺れたいんです」
「……なら、愛してあげる」
フィーネは微笑し、スイセンのブローチを手に取り、口づけた。そう、黄色いスイセンの花言葉は──
※SS担当者:青砥文佳