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イラスト詳細

偽りの恋人、身勝手な愛

作者
人物 御幣島 十三
フィーネ・ルカーノ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 雪が夜を覆う。真夜中、フィーネ・ルカーノ (p3n000079)は柔らかなソファからシャム猫のように立ち上がり、バルコニーに続く窓を開いた。
「ごきげんよう、今日は此処にいたのね」
 フィーネは白い息を吐きながら、御幣島 十三(p3p004425)を真っ直ぐ見つめた。
「ええ、特別な日と、貴方をお祝いしたくて」
 十三は青い小箱を差出し、微笑む。咥えた煙草が小刻みに震えている。赤い指の先にはスイセンのブローチがあった。
「貴方は死ぬの?」
 フィーネは問うた。白煙では消すことなど出来ない、十三から血の香りがした。
「そうかもしれません。ただ、そうだとしたら……貴方は……」
 言いよどみ、十三は崩れ落ちた。

 足を引きずり、真っ赤な腹をおさえ、誰のものでもない貴方を想った。誰よりも、愛を贈られていると、知っていたはずなのに。
「……貴方を愛してる。それはきっと、貴方が想像している以上に! だから、今だけでいい。偽りでも、何でも……俺は貴方の愛に溺れたいんです」
「……なら、愛してあげる」
 フィーネは微笑し、スイセンのブローチを手に取り、口づけた。そう、黄色いスイセンの花言葉は──


 ※SS担当者:青砥文佳

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