イラストSS

●Scheinen Nacht　輝きの中から
　外側、それは刺激を求め、存在を示すもの。

　R.O.O.にも冬景色はある。
　白銀に煌めく雪景色の中、それを鮮やかに彩るような金髪の少女が一人、雪景色の中を駆け回る。
　それに負けない真っ白なロングスカートが、降りしきる雪と踊っている
「雪景色というものも、悪くありませんわね！！　雪景色の銀色と金剛種たるワタクシの金髪……完璧な美しさですわ！！」
　フローレスは高笑いを一つあげ、銀世界を一歩、また一歩と踏みしめる。
　刺すような寒さすらも彼女にとっては求めていた刺激なのだ。
　彼女の気の強そうな目が、再度銀世界を映す。
　先ほどとの違いと言えば、彼女が雪の上を歩いたことが分かるくっきりとした轍があること。
　そして彼女は、また雪の中を駆け回っていく。

　ーー気高く、美しく、そして強く。
　いつか願った自分を、そこにいる誰かに見せつけるように、彼女はくるりと振返る。
「変わるにはまず自分から。手をこまねいていては何も変わらなくてよ？」
　フローレスはそこにいるであろう誰かに笑いかけ、手を差し伸べる。

　内側、彼女にとってそれは変わるための一歩を踏み出す、もしくは踏み出した自分なのだ。


　※SS担当者：水野弥生