イラストSS

　シャイネンナハト。世では家族や恋人や友人と穏やかな日を過ごす日。B.R.Cの社員は仕事をしていた。
　社長のナイトが率先して働くのならと秘書のティアンも手伝う。業務が終わる頃には日はとっくに沈み雪が降っていた。

「シャッチョサン。マタネ！」
　ティアンが一瞬体をぶるっと振るわせ。彼女が手を軽く振り帰ろうとした時。

「ティアン！」
　ぬくもりが彼女をおおった。ナイトが着ていたジャケットコートをティアンに掛けたのだ。
　少し驚いたティアン。社長は優しい。知っていたはずなのに頬が熱くなる。
　ナイトがこつんと自身のひたいをティアンのひたいに重ねる。
「ちょっと熱いぜ？」
　風邪かと思ったナイトがティアンの熱を計る。
「シャッチョサン、ワタシ……」
「無理してんなら家まで送ろうか？」
「エート……」
　何て返そうかとティアンが思案していると。

「ソダ！　ワタシ、コーヒー飲みたイ！」
「コーヒーくらい奢ってやる。トッピング(topping)全部盛りでもいい。何だったら寿司でもスキヤキでもいいぜ」
「ウウン。コーヒーがイイ」

　特別な日になんてことないコーヒー。コーヒーが温かいのはきっと雪が降っているから。


　※SS担当者：7号