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冬の虹色、ご覧になって
冬の虹色、ご覧になって
イラストSS
冬なんてのは寂しい季節。
凍てついて、生き物も居なくて。
静かに静かに、閉ざされた。
そんな季節。
……本当は違う。冬にだって、色々な、とっても綺麗なものが散らばっている。
例えば、此処。
ワタシのお気に入りの場所。私の大切な宝物。だから宝物(あなた)に見て欲しかった。
「すごい、すごいわ、夢の中にいるみたい……」
キュウがそういって、目を丸くする。瞳に虹がうつって、きらきら。宝物と、宝物。二つが合わさって、とても大切になる。
目の前に広がる、虹色の結晶の群。キラキラ輝く、七色の光。東名のそれから飛び出して、目の前にアーチを描くように、虹が冬の世界を飛び跳ねる。
静かなだけじゃない。閉ざされただけじゃない。
綺麗で、素敵で、笑顔をくれるようなものが、いっぱい、いっぱい、散らばっている。
「綺麗よねえ、とっておきの魔法みたいだわ。ふふ、キュウに見せたかったの」
そういうと、キュウはこくこくと頷いて、ワタシの手をぎゅっと握り返したの。隣にいるクララも、嬉しそうにきゅう、ってないた。
「ほかにも、お見せしたい宝物があるわ。キュウと、一緒に。
ねぇ、冬はもう少し続くけれど、どうか、どうか、一緒に楽しんで?」
そう言うと、
「もちろん……!」
キュウは嬉しそうに、笑ってくれたの。
*SS担当:洗井落雲