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シャルロッテ・ド・レーヌのしもふりによるおまけイラスト
シャルロッテ・ド・レーヌのしもふりによるおまけイラスト
イラストSS
常ならば、剣を携え主君を護るが為に。
然うして生きていくことがレーヌ家に生まれたシャルロッテにとっての運命(さだめ)であった。
しかし、彼女も年頃の娘だ。着飾る必要性を感じていなくとも、憧れることはある。
シャイネンナハトは王宮にて行なわれる舞踏会へ騎士として、主を護るべく出席を為なくてはならない。
ドレスを着用し、年頃の娘らしく着飾る事など夢の又夢なのだ。
それでも、だ。
気紛れな幼馴染みは「お前も着飾れば良い」と笑った。そんな気さくさだからこそ、貴族には足元を見られ、王座は傾国の象徴のように扱われるのだ。
そうは知りながらもシャルロッテは「おふざけになりませんよう」と口を酸っぱくする。
「はは、巫山戯てなぞ居るものか。嘗ての友人達も言って居たぞ。
騎士として身を立てなくてはいけないレーヌの家の生まれでも、お前と踊ってみたかった、と」
シャルロッテの脳裏に浮かんだのはミーミルンド兄妹のことであった。
彼等と共にダンスの名誉に賜れたならば、どれ程嬉しかっただろうか。
シャルロッテは「それでは、当日を楽しみにしていて下さいね」と微笑んだ。
月の女神のような美貌の亡き姫君と、月の男爵とも歌われた美青年をもあっと言わせるような白雪のドレスを身に纏って、唯一残された幼馴染みにエスコートして貰わねばならないのだから。
*SS担当:夏あかね