PandoraPartyProject

イラスト詳細

勝つのは俺だ

作者 mu
人物 嘉六
ニコラス・コルゥ・ハイド
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

5  

イラストSS

●求める光は四つか五つ、将又雨も交えてか
 真剣勝負は得てして時も場所も選ばず、時候の色気も向かい合う博徒達には意味を成さず、向かい合う博徒達は恋人達の繋ぐ手の代わりに、赤き札を交わし合っていた。
「おっと、こいつはまずいねェ」
「よく言う」
 東方の博徒を思わせる男、嘉六は札を見ながら発せられた言葉は、字面と裏腹にその口調に危機感は一切なく。
 西方の博徒を思わせる男、ニコラスは後ろに撫でつけた髪をわざとらしく後方へ撫でつけては嘉六の言を斬り捨てた。
「おいおい、ハッタリだとでも?」
「丸わかりだ」
「……へえ?」
 不敵に笑い、肩を竦めて見せた嘉六に対しへらへらとした笑みを崩さぬままニコラスが答えても、されど嘉六は笑みを崩さずに目を合わせる。
 ――本当に分かっているのか? と問いかけるように。
 されどニコラスもまた逸らされぬ視線と崩されぬ笑みでこう答える――揺さぶりは無駄だ、と。火花を散らすように視線を交わしていき――。
「…………」
「…………へっ」
 負ける気はない。聖夜の空気は冬の鋭く突き刺すような冷たさだけが、二人の間に相応しいものだろうか。
 果たして桐と瑞鳥から始まる最上の手を揃えるはどちらか――札を打つ音が、交わされる視線の散らされる火花の音を代わりに演じていた。


 ※SS担当者:表川プワゾン

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