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イラスト詳細

咲々宮 幻介の結城ポンタによる4人ピンナップクリスマス2021

作者 結城ポンタ
人物 咲々宮 幻介
加賀・栄龍
嘉六
タツミ・ロック・ストレージ
イラスト種別 4人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

4  

イラストSS

Title:鳳圏は酒に沈む
「ふははは、呑め呑めーい!」
 幻介は酔っていた。すっかり、出来上がっていた。手にしたのは一升瓶。先程までで自分が干したものではない。たっぷり入ったそれを構え、じりじりと栄龍へとにじり寄る。
「飲めるけど、けど一気飲みとか出来るわけないだろガボボ! ボッ……見てなっ……たすっボッ」
「拙者の酒が呑めぬのか、栄龍ぅ?」
 栄龍は必死に周囲に助けを求めるが、奥にいる店員は酒を出したら我関せずの姿勢を貫き、嘉六は彼らを眺めて薄ら笑いを浮かべている。……否、引きつり気味に盛大に笑っているではないか。
「ダッハッハいいぞーもっとやれ~!」
「嘉ッ、助っ、ゲフッ」
「ははははは、ええ飲みっぷりじゃのう栄龍ゥ! 栄龍はやればできる子じゃと思っとったぞ!」
 何が「やればできる子」なものか。やらせているから逃げられないだけではないか。見よ、幻介の左手を。がっちり栄龍を掴んで離さず、逃げられぬようにしている!
「ゲ……ッホ、何してんだ幻介!? 無理やり飲ませるのは不味いって! 顔、顔真っ赤っかだぞ!!」
 宴会の客人として大人しく飲み食いに興じていた(食事量は大人しくなかった)タツミは、眼前の惨状に思わず吹き出してしまう。入っちゃいけないところに食事が入ったのだ。先程までの料理の味とか満足感が吹き飛び、客人として張り詰めていた緊張の糸が盛大に切れた音がした。
「ああもうやめろって! あとそこの枝豆食べないんなら寄越せ!」
「気遣いついでに食欲が勝っているで御座るぞタツミ殿! 何方かにせんと……なんだ、タツミ殿も飲み足りんので御座るか?」
「足りなくてもそんな飲み方はしたくねぇよ!?」
「そうだそうだ、タツミも飲め飲め! 皆景気よく飲んで潰れろぃ!」
「げふ……」
 矛先を即座に変えようとする幻介、すっかり目を回してしまった栄龍、皿だけは手から離さないタツミ、そして彼らを囃し立てる嘉六。
 鳳圏の居酒屋で繰り広げられる狂乱は、まだ当分終わりそうになく。
 恐らく翌朝、3人揃って栄龍に土下座する羽目になろうとは、今の彼らには予想だに出来ぬ顛末なのである。


 *SS担当:ふみの

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