PandoraPartyProject

イラスト詳細

朔のkzgr_によるおまけイラスト

作者 kzgr_
人物
コルネリア=フライフォーゲル
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2021年12月24日

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イラストSS


 宵の口まで大勢の人でにぎわっていたシャイネン・ナハトのマーケットも、少しずつ人が減り、まばらにいた客たちも家路につこうとしている。それでもまだ、一部の若者たちが大声で騒いでいた。
 そんな中、朔(p3p009861)とコルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)はマーケット通りから一筋奥に入った裏路地にいた。
 朔はキセルを吹かすと、冷たい風が吹く空を見上げた。高いビルの間に見える、冬の白い夜空だ。
「やれやれ。誰も彼もが浮かれていやがる」
 コルネリアもケースから煙草を一本抜いた。カチリとライターを鳴らして火をつける。一服し、黙りこくったまま雪を降らせる空に紫の煙を吹きあげた。
「シャイネン・ナハトなんて、特に騒いだりする気にもなれない」
「まったくだ」
 とはいうものの、二人もまた街、いや混沌世界を包み込んだお祭りの雰囲気に当てられてしまったようだ。
 その証拠に、依頼を終えてもすぐに帰る気になれずにいる。
 ふたりはだまって路地の先へ顔を向けた。
 ピンクや紫、金に光るショップの窓やネオンも、今夜はしんしんと降る雪のせいでぼんやりとして見える。ふわふわと花びらのように舞い落ちる雪の欠片を、虹色に輝くツリーのイルミネーションが照らす。細い裏路地は白一色だ。
 コルネリアの肩に降り積もった雪が街灯を反射して、星屑の様にきらめいていた。
「寒いな」
 朔がコートのポケットに手を突っ込んで、ぽそりと呟く。帽子をかぶっていないため、耳のあたりが痛くてしょうがない。
「そろそろ行くか」
「もう少し……。付き合ってやろう」
 この浮かれ騒ぎに。自分たちが守った平和に。


 ※SS担当者:そうすけ

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