イラストSS

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　シャイネン・ナハト当日のあわただしい街。
　カイト・シャルラハ（p3p000684）は友人のカイト(p3p007128)と連れ立って、ぷらっ、と本屋に立ち寄った。
　間口は狭いが奥行きのある店だった。街に流れる厳かな聖歌も、この店の中には入れない。そんなアングラな雰囲気を発している。
　店の中に入ると奥に向かって延びる二つの長い棚で店が仕切られていた。本を詰めこんだ棚が通路の両側にそそり立っている。
　カイト(p3p007128)は何気なく、右手にある新刊の棚を見た。
（『カイト』？）
　偶然目にしたタイトルが気になり、中腰になって棚へ手を伸ばした。
　腰を伸ばしつつ本の表紙に視線を落とす。
「な……」
　絶句した。
　ざぁっと音をたてて、体から血が流れ落ちたような気がする。すぐ、恥辱に体が細かく震えだした。
「どうしたカイト？」
　奥に進んでいたカイト・シャルラハが戻ってきた。無言で本を差し出す。
　翼人は信じられないものを見たように、顔の羽を毛羽立たせた。
　一体誰が作ったのだろう。
　そこには、全裸のカイトがカイト・シャルラハに抱かれ、キスを迫られているＢＬ絵が描かれていた。
　二人の間を、しばし無言の時が流れる。
「えーあーうん、まあ、どんまい？」
　これよりもずっときわどい内容の同人誌を作られたことがある、とカイト・シャルラハ。
「メスにされて卵産まされたやつと比べたら……うっ」
　嘴を翼手で覆い隠す友の横で、カイトは青ざめた唇を震わせる。
（どうして……。どうして俺が『攻め』じゃねえんだよ！？）


　※SS担当者：そうすけ