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オウェード=ランドマスターのみにゃにゃによるおまけイラスト
オウェード=ランドマスターのみにゃにゃによるおまけイラスト
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「ご機嫌よう」
偶然にも出会ったのはオウェードが敬愛する青薔薇。その毒も滴るが如き美貌は聖なる一日でも曇りは無い。
「り……りりり……リーゼロッテ様……」
「ええ。少し向かう先がありますの。エスコートして下さる?」
彼女の思いも寄らぬ発言にオウェードは身を硬直させた。エスコートの誘い一つでもオウェードがどの様な反応をするかを彼女は良く分かっている。
「そういえば、勇者総選挙では思いも寄らぬ活躍を致しましたわね。
アーベントロート派を名乗り上げるならば、至極真っ当な成果ではありますけれど――」
ちら、と視線を向けるリーゼロッテにオウェードは「はい」と声を上擦らせた。
「それでも素晴らしい功績でしてよ。
……ええ、そうでなくっちゃ私をエスコートなんて出来ませんでしょう?」
確かにそうだ。彼女の隣に立つならば凡才では有り得ない。より、高みを目指してこそ『幻想の蒼き薔薇』に手が届くというもの。
回りくどい褒め言葉ではあるが、それこそがリーゼロッテ・アーベントロートなのだ。
「では、また――」
目的地に到着し、身を離したリーゼロッテは振り返ること無く歩み始める。
その背を呼び止めることも無く、彼女から賜った言葉を胸に刻みオウェードは静かに息を吐いた。
*SS担当:夏あかね