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イラスト詳細

イスナーンのU3によるシングルピンナップクリスマス2021

作者 U3
人物 イスナーン
イラスト種別 シングルピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 しんしんと、音を吸収して雪が降る。
 屋根上から見下ろす町並みは聖夜の灯りに染まっているが、行き交う人々は少ない。
 それもそのはず。みな既に家の中で過ごしているか、幼子ならば寝ている時間なのだ。こんな夜更けに人様の家の屋根に上っている者など、不審者か同業者の二択だろう。
 吐く息は白く、新たに口内に侵入した空気が熱を奪う。
「さて、行きましょうか」
 肺に入り込んだ空気を吐き出したイスナーン(p3p008498)は肩に担いだ大きな白い袋を担ぎ直し、煙突の通気口へと足を掛けた。見下ろす暗い穴には、『今日だけ』は煙が上がっていない。
 雪降る聖夜に彼が家屋の屋根にて待機していたのには訳がある。
 それは、プレゼントを届けるアルバイト。子供たちの笑顔のためにとサンタさんの訪れを願った親たちからの依頼で、赤い服を身に纏い、大きな袋にプレゼントを山程詰めて、夢を届けるサンタ業。暗殺よりも諜報よりも、ずっと心の軽いお仕事だ。
「喜んでくれると良いのですが」
 躊躇うことなく、イスナーンは煙突へと飛び込んだ。


 ※SS担当者:壱花

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