イラストSS

「僕、冬が好きなんですよね」
　サンドリヨン・ブルー (p3n000034)が街中に煌めく電飾と、雪を見つめる。
「それはサンドリヨンさんが冬生まれだから？　それとも、イルミネーションがとても奇麗だからです？」
　ラクリマ・イース(p3p004247)がマフラーをまき直し、小首を傾げた。
「ふふ、ラクリマさん、両方当たりです！」
　サンドリヨンは笑顔を見せ、冷たい風に身を震わせる。でも、心は、心だけは寒くはなかった。
「ふふん。流石、俺。あ、サンドリヨンさん！　食べ歩きに良さそうなお店がまた！」
　ラクリマが指を差せば、善は急げとサンドリヨンが駆けだした。

「もう、店は逃げませんって！　それにしてもサンドリヨンさん、足速すぎません？」
「え～？　えへへ！」
　すれ違った人々は楽しそうな声を聞き、静かに振り返った。購入した商品を手に、ラクリマとサンドリヨンは肩を並べ、ゆっくりと美しい街を歩いている。
「ラクリマさん！　楽しくて美味しくて……幸せですね！」
　サンドリヨンの言葉にラクリマは白い息を吐き、目を細めた。
「ええ、俺も……穏やかでとても楽しくて、美味しい時間です」


　※SS担当者：青砥文佳