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イラスト詳細

小金井・正純のしもふりによるおまけイラスト

作者 しもふり
人物 小金井・正純
天香・遮那
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 肌寒い冬の空気が障子の向こうに感じられる。
 火鉢の置かれた遮那の執務室は程よい温度に保たれ、橙色の夕陽が優しく差し込んでいた。
 正純は机の上に突っ伏して寝ている遮那に視線を送る。
 もうすぐ迫る年の瀬の忙しさは、机の上の書類の量に比例していた。

 遮那はまだ十五歳。
 この国では元服ではあるけれど、まだまだ子供の域を出ない年齢だ。
 そんな遮那の肩にのし掛る重圧を正純は傍で見守ると約束した。
 最初は自分自身が背負った罪と制約であったけれど。
 共に過ごして行く日々の中、遮那という一人の少年の成長に喜びを感じるようになった。
 移ろいゆく時間は確実に進んでいて、いつか必ず終わりがくると『知って』いるから。
 今だけは、その背に羽織を掛ける事を許してほしい。

 遮那の黒い翼を覆うように正純は羽織を掛ける。
 起こさぬようゆっくりと。
 ふと、視線を上げれば机の上に花が飾られているのが見えた。
 見覚えのある花だ。
 燃える様な赤い色を正純はじっと見つめる。
 過った夏の夢は肌を這う寒さに任せ思考の隅に押しやった。
 溜息一つ吐いた正純は憂う瞳を僅かに伏せる。

 障子越しに差し込んだ夕陽に九重葛の花が揺れて――

*SS担当:もみじ

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