イラストSS

　聖浄歌と夜想曲が静まり水蝋燭の灯も薄らぐ碧硝子の天蓋下。白薔薇が高潔な純真珠色の外套なびかせて、遥かな彼誰時を見据える麗しの瞳を昂然と輝かせている。

　夜臨む片碧の眼差しは、父には見出せぬ輝きを見付けたよう。

　嗚呼、エルムの森の白き神よご照覧あれ。
　凛然と立ち、耿々と星月に明らむ彼の英姿。凍て星が涙滴めく軌跡描いて流れ落ち、煙墨雲が風に戯れて月を横切り光遮れど、なお翳ること無き清廉で爽涼な愛し子を。

　嗚呼、澄んだ泉のような美しき声。
　透き通る声は自信に溢れ、余人には窺い知れぬ未来を先読むが如く告げるのだろう。

「あと48時間でシャイネンナハトが明ける」

　その瞳は、運命を透徹と見通して。
　その顔は、情勢は我が意のままよと世界に宣言するかの如く。

　一体、何が起きるというのか？
　問えば、無知を憐れむ笑みが玲瓏に祝鈴の佳声紡いで。

「フフッ、知らないのですか？」

　いやしらんわ。そんなツッコミには構わず、（おそらく聞いていないに違いない）彼は爆弾をクイッと魅せて。歪んだ笑みで（あれ？　クレド・ティネケ？）

「地獄のグラオクローネが開催されるのですよ……！」

　次回：爆祭のグラオ・クローネ！　お楽しみに！


　※SS担当者：透明空気