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クロエ・ブランシェットのほったりょうによる2人ピンナップクリスマス2021
クロエ・ブランシェットのほったりょうによる2人ピンナップクリスマス2021
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螢雪夜に零乱した名残雪が潤む朝、優しい風波遊ぶ晴天に。
「わぁ、足元ふわふわ……、ひゃっ」
苺色のリボンを揺らしてクロエが雪化粧の大地に足を滑らせたから、ジョシュアが支えて。感謝を伝える声にほっとする。
「気を付けて、クロエさん」
「はい」
林檎色の瞳がほわりと笑み、緑に咲く真珠色を見つけて。
「ジョセさん、あちらにお花が……!」
いきましょう、と誘う。
すこしだけお姉さんな目には暁光にテラコッタの深い艶めくシナモンの少年が映っていて。ジョシュアは背伸びするように、花抱く緑と幽天のあわいに頷いた。
穏やかな雪音奏で、陽光に溶けゆく雫煌む緑の道の先。
群れ咲く白の前に一緒になってしゃがみこみ。
「クリスマスローズですね」
吐息が儚く冬の大気に溶けていく。
その毒は人を、生き物を。苦しめる。
――僕と同じ。
ジョシュアが睫毛に淡い影を落としていると、冷えた手がクロエの手に包まれた。
瞬きして視れば、指先の冷たさを案ずるように、温もりを分かち合おうとするように懸命な娘が可憐な白花めいた笑み咲かせ。
「あとでお揃いの手袋を買いに行きませんか」
だから、雪も輝く晴れ空背負って――2人一緒にまた、歩き出す。
※SS担当者:透明空気