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ルナール・グリムゲルデのしもふりによるおまけイラスト
ルナール・グリムゲルデのしもふりによるおまけイラスト
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出かけようか、とルナール・グリムゲルデ(p3p002562)は言った。手には送られたばかりの、1人で巻くには余るほどの長さをしたマフラーがある。ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)はその言葉に頷いた。
「今日は寒いな」
「ああ、本当に」
ん、とルーキスが右手を差し出せば何も言わずにルナールは左手で優しく包み込む。視界に入った他愛もないものについて話していれば、先導するルナールは屋上庭園へと向かっていく。
「うん、この辺りなんてどうだ?」
「いいんじゃないかな。それじゃ失礼して……あー、あったか」
今日は一段と寒さが深い気がする。その表情に余程寒かったのだろうと苦笑を浮かべながら、ルナールは持ってきていたマフラーを広げた。すぐ近くにいる彼女ごとマフラーを巻けば、彼女は満足そうに微笑む。
「ん? 雪だ」
「本当だ。この辺りだと初雪じゃないか?」
空から静かに振る六花。ごく軽いそれはルーキスの肩を滑って落ちていく。
2人とも口を閉ざしてしまえば、辺りは酷く静かだ。屋上庭園も独占である。
しんしんと冷えて来ても、身を寄せ合っていれば暖かいから――暫く、2人はそうして雪の降る様を眺めていた。
※SS担当者:愁