イラストSS

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　シャイネン・ナハトの夜。歓楽の夢の中で少年は何をしているのだろう。安らかで幸せそうな寝顔を見せている。
　ソアはこっそり彼が寝ているベッドに忍び寄って、眉にかかるさらさらの前髪をそっとかきあげた。数時間前の前夜にプレゼントをあげて、ものすごく喜んでいた彼の笑顔が脳裏にフラッシュバックする。
　胸の奥がキュンと甘く疼いた。
（「ＥＳＴ……」）
　狂おしいまでの愛おしさに背中を押され、額にそっと唇を寄せる。その瞬間――。
「……え？」
「え……？」
　彼が目を覚ました。わぁ、と叫んで体を起こす。
　ソアも、わっと驚いて、ベッドの上から飛び降りた。驚きに目を丸くする彼に、すがるようにいいわけする。
「ね、寝顔を見て、キスしたくなったんだ。キスだけのつもりだったんだよ！　本当だ！」
　彼は天使の像のように固まっていて、瞬きすらしない。
　窓の外で木の葉がふれあう音さえ寂しく聞こえ、息のつまるような静寂がおそってきた。
（「……怒ってる。どうしよう」）
　いたたまれなくなってギュッと目を閉じた。
　――ぽす。
「え？」
　恐る恐る目を開けてみると、彼がマクラに頬をうずめて寝息を立てていた。


　＊SS担当者：そうすけGM