イラスト詳細
ヴァリューシャー!!こっちこっち!!
ヴァリューシャー!!こっちこっち!!
イラストSS
日差しが雪に反射して、周囲を輝かせている。
白く清冽な雪が降り積もった街の昼は、いつもに増して明るく感じられた。
待ち合わせの時間まではまだ余裕がある。
けれど彼女はきっと、もう来ているだろう。
つい急がせた足が雪に滑り、おっとと気を引き締める。せっかくの2人でのお出かけなのに、こんなところで転んで泥だらけにはなりたくない。
待ち合わせの広場が見えてくる。
そしてふわふわとした雪の向こうに、待ち合わせ相手の彼女の姿も。
お気に入りの白い上着に、サファイアブルーのスカーフが鮮やかだ。
降る雪を受け止めようとでもしているのか、彼女――マリア・レイシスは軽くくぼめた手のひらを空へと差し出していた。
切り取って絵に残しておきたいような、一場面だ。
声はかけなかったが、視線を感じたのだろう。
マリアの視線が空からこちらへと向けられた。
途端、ぱあっとマリアに笑顔が咲く。
「ヴァリューシャー! こっちだよー♪」
挙げた右手を大きく振って、こちらに呼びかけてくる。
その動きに、1つにまとめた赤い髪がぴょんぴょんと元気に左右に跳ね動いた。
全身で歓迎を示してくれるマリアに向けて、私も手を振り返した。
*SS担当者:月舘ゆき乃GM