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イラスト詳細

【Scheinen Nacht2020】喫茶店に友人が遊びに来てくれて

作者 hiro
人物 エルス・ティーネ
マリア・レイシス
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2020(→おまけイラスト)(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2020年12月24日

8  

イラストSS


 もうすぐシャイネンナハトというある日の午後、依頼を受けたマリア・レイシスはサラにいた。
 マリアは『Mughamara』と書かれた看板が立てかけられている店の前で足を止めて、マントから砂を払い落し、ドアを開けた。カランコロン、と鈍い音がドアの上の方から聞こえる。昔はもっと澄んだ音色を奏でていたのかもしれない。たぶん、ベルにうっすらとついた砂が音を鈍らせているのだろう。それほど長く、店が続いている証拠だ。
 白薔薇が飾られた店内をみまわすと、八割方テーブルが客で埋まっていた。
 あら、と心地の良い声がした。
「マリアさんがラサに来てるなんて珍しいわね、ゆっくりしていって!」
 この店を経営するエルス・ティーネだ。
「ふふ! 噂には聞いていたけど、立派なお店じゃないか! お言葉に甘えてゆっくりさせてもらうね!」
 エルスに案内されて窓際の丸テーブルに腰を落ち着ける。目の前にメニューが差し出された。それをそっと押し返す。
「エルス君『お勧め』のお茶をお願い」
「じゃあ、とっておきのお茶を入れてくるわね。ちょっと待ってて」

 残念ながら、雪は降っていない。かわりに大きな砂粒が、時折ばらばらと窓ガラスを打つ。時間がゆったりと流れる砂漠の喫茶店で、その日を過ごすのも悪くない。



 *SS担当者:そうすけGM

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