イラスト詳細
錫蘭 ルフナのzeroによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
錫蘭 ルフナのzeroによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
ラサの砂漠にも雪がふわふわと降り積る。
二人の女と一人の男。対話を重ね、歩み寄れば幸福であった『かもしれない』
それは有り得たかも知れないのに、叶わなかった恋の話。
――其れを思い出して顔を上げたルフナの傍らで「雪ですか」とイルナスは呟いた。
「……雪だね」
「シャイネンナハトですから、そういうこともあるのでしょう。
砂漠の夜はよく冷えますし、傍らには鉄帝国もある。ですが……不思議な光景ですね」
体を冷やさぬようにと囁いた『砂漠の幻想種』にルフナは「うん」とだけ小さく返した。
雪を舞わせた風が二人のローブを煽る。
イルナスはあまり言葉を紡ぐ事はしなかった。勿論、ルフナもだ。
唯、目の前に広がった幻想的な空気に息を飲む。
ふと、ルフナが手を伸ばせばその指先に六花が舞い降りた。直ぐに溶けてしまいそうな幻想はIFの物語が『そうはならなかった』と教えるようで。
「……更に冷えてきましたね。そろそろ、戻りましょうか」
「……そうだね」
そっと差し出された手を掴んで、ゆっくりと歩き出す。
砂漠に残った足跡も、風が攫って雪と共に消え去って――
*SS担当者:夏あかねGM