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華懿戸 竜祢のまさはるによる2人ピンナップクリスマス2020(縦)
華懿戸 竜祢のまさはるによる2人ピンナップクリスマス2020(縦)
イラストSS
人気の少ない路地裏や今はもう使われていない倉庫は彼らの仕事場の一つだ。
彼等に盆も正月もシャイネンナハトも関係ない。ただクライアントの指定された時間に、指定された場所へ、指定された物を届ける。
しかし、せめて。たとえば今日みたいな日くらいはこういった挨拶を交わそうじゃないか。
「輝かんばかりのこの夜に」
彼らは互いに、自分たちに馴染みのないそれを投げかけて、夜に溶けるように消えていく――筈だった。
「輝かんばかりのこの夜に!」
その場にいた誰でもない誰かの声と轟音が響く。
それが爆発によるものだと気付いたころには何人かが短いうめき声を上げて地に倒れ伏していた。
まさか敵対組織のエージェントか? 情報が漏れていたというのか。
一同が同じ場所を見る。なんとそこには……!
サンタとトナカイがいた。
そう、サンタとトナカイだ。トナカイはきぐるみっぽいが、見まごうことなくサンタとトナカイだった。
「確かに麒麟の情報通りここに集まっていたわね」
「くくっ、では予定通りクリスマスプレゼントを進呈するとしよう」
なおクリスマスプレゼントと書いて刑と読む。
その日、一つの悪がつぶれた夜空には雪の花が舞っていた。
*SS担当者:樹志岐NM