イラストSS

　クリスマスの夜……世間は恋人と共に過す人が多い日。
　しかし、斬華の周りには、そんな甘い言葉を囁く人などおらず……魑魅魍魎達が押し寄せていた。
　獰猛な人型や、獣型の夜妖達……しかし斬華が、臆する事は無い。
　いや、寧ろ……とても嬉しそうだ。
「んふふ～♪　これはこれは刈り応たえがない首ですね♪　黒子さん！　そちらはいかが？」
　と、背中合わせに魑魅魍魎を狩る黒子に問い掛ける。
　黒子はそれに。
「こちらは大体終いです。この辺りの夜妖はあらかた狩り尽くしましたし、次行きますか」
「ええ♪　次の夜妖はどんな感じなんでしょうか？　強い敵ですよね？　首狩りしがいのある相手ですよね！？」
「そうですね。まぁ……かなり強い相手なのは間違いありません。きっと、楽しんで戴けると思いますよ」
「わかりました♪」
　そう言いながら、最後の魑魅魍魎の首を一閃し、跳ねる。
　血飛沫を浴びて、地面へと転がり落ちる夜妖の首。
　そして……。
「ふふ～ん♪　それでは次の場所、案内お願いしますね♪」
　剣の血潮を振り落しつつ、黒子へ微笑む斬華。
　そして、夜の帳と、夜妖蠢く練達を、闇に紛れて走るのであった。


　＊SS担当者：緋月燕GM