イラスト詳細
まあ、穏やかじゃありませんわよ!
まあ、穏やかじゃありませんわよ!
イラストSS
海洋の社交界もシャイネンナハトの夜は舞踏会で盛り上がる。
コンテュール家代表――兄の名代として舞踏会へと出席するカヌレは「護衛をして頂いても?」とティアへ声を掛けた。
「私で良いなら」
「ええ、ええ。その、わたくしダンスは余り得意ではありませんの。一緒に踊って頂いても構いませんこと?」
こくりと頷いたティアにカヌレはほっとしたように微笑んだ。
過保護な兄が居るからかダンスの経験はあまりないらしいカヌレは『ダンスを失敗する』前に共に踊って欲しいのだという。
彼女の頼みならば断るまい。
男性パートは任せて欲しいと護衛役のティアが手を取り躍り出せば、最初は好調であった。
「ええと――」
こうかしら、と呟いたカヌレの足下が僅かに傾ぐ。躓いたのだと気付き、ティアは咄嗟に手を伸ばすが――
「きゃっ!」
偶然だ。だが、『二回目』でもある。
ビーチバレーの際に起したハプニングがここでも、だとティアはぱちりと瞬いた。
「あ、あのっ、ティ、ティアさ――」
形は良いがあまり膨らみの大きいとは言えない胸元に指先が触っている。それ所か彼女を支えるために『揉んでしまった』状態である。
「ッ―――!」
何も言えないままダンスを終えたカヌレは「感想は聞きませんわよ!」とダッシュで逃げ出したのだった。
*SS担当者:夏あかねGM