イラストSS

　朝顔が映し出す七色の玉手箱は天井に深緑の風景を映し出す。
　カムイグラの桜と同じような白い花が咲き乱れ、ふわりふわりと辺りを舞った。
「凄いな。向日葵。どんな手品を使ったのだ？」
「それは内緒です。遮那君に喜んで欲しい」
「でも、私の為にこんな大がかりな仕掛けを用意してくれたのだろう？」
　嬉しそうな遮那の笑顔に、朝顔も楽しくなってくる。
　その笑顔の為に準備もした。色々な場所に出かけた。この仕掛けには強い思いが必要だったから。
「ありがとう。向日葵。私はとても嬉しいぞ！」
　次の箱を開ければ、砂の都。オアシスの色彩が部屋に広がった。
　掌を流れていく砂塵は本物と錯覚するぐらい精密で。
「いつも頑張っている君に、沢山の贈り物を！　今日ぐらい、今ぐらい、ありのままの遮那君で居て良いと思うから」
「では、私も代わりにこれを其方に贈ろう。私がいつも付けているものと同じ飾りだ」
　朝顔の掌に乗せられるのは紫色のブローチだった。
　遮那の胸元に光る色に、朝顔は顔を綻ばせる。

　菖蒲色の羽根飾り
　遮那がいつも胸元に身につけている菖蒲色の羽根飾りと同じもの。お揃い。いつも傍に居られるように。遮那から向日葵へのシャイネンナハトのプレゼント。

※担当GM『もみじ』