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オニキス・ハートの彁によるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
オニキス・ハートの彁によるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
イラストSS
「あ、サンタさんだ!」
(サンタ、か)
オニキス・ハート(p3p008639)は小さく頷いた。
長いツインテールが大きく揺れる。
今の自分はサンタの格好をしてケーキを売っているのであるし、たしかにサンタに違いない。
「やっぱり! サンタさんだ! 握手して!」
シャイネン・ナハトににぎわう街並み。
オニキスは過ぎ行く光景を眺めながら、「なるほど、この格好は喜ばれるのだな」ということを理解する。シャイネン・ナハトの割には閑散としていたこのケーキ屋も、ひとたびオニキスが店頭に出てからというもの、じわじわと客が増え続けて、今や行列となっている。
ほっぺについたクリームをぬぐう。……断じてつまみ食いではない。「これはどういう商品ですか」と聞かれた場合、的確に答えなくては店員というものは務まらない。「少しだけ味見していいよ」と店長も言っていた。「少し」にしてはちょっと行き過ぎた気もするが、寒空の下で長く活動するにはやはりエネルギーが必要だ。
といっても、これほど店がにぎわったのだから、収支は大いにプラスというものだろう。
「またね!」と手を振る子供たちを前にすれば、どこか温かい気持ちが満ちる。これが、シャイネンナハトの祝福というものだろうか。
たまにはこんな日も悪くない。
*SS担当者:布川GM