イラストSS

　温かな灯りに照らされる部屋の中、食卓に聖夜の御馳走が並ぶ。香ばしく照り輝く一羽丸ごとのローストビーフは、トマトと香草を添えて中央の大皿に。前菜にはポテトサラダ。フライドポテトを少し。主食はパンだ。
　兄妹は乾杯した。ノンアルコールのスパークリングジュースは、少し大人びた味がする。デザートには苺と生クリームのホールケーキが待っている。

　これらの料理も、部屋の飾り付けも兄妹２人で行った。三國・誠司（p3p008563）とアイシャ（p3p008698）はまるで本当の兄妹のようだ。

「お兄ちゃん。とっても美味しいですね。私、今、とても幸せです」
　アイシャは誠司の隣に座り、彼を見つめて微笑んだ。今日はとても幸せな日だ。
　特別な日に誠司くん......誠司、お兄ちゃんと一緒に作った御馳走を、誠司お兄ちゃんと一緒に食べている。
　それがアイシャにとっては、変え難く嬉しい。誠司は料理を食べる手を止めて、妹に笑いかけた。ニシシッと歯を見せて、笑う。
　「そういってくれるなら、兄ちゃんも頑張った甲斐があったってもんだ！」
　誠司は妹のアイシャが嬉しそうな事がけっこう嬉しいらしい。
　誠司がアイシャを見守る目は優しく、妹への慈愛に満ちていた。


　＊SS担当者：神寺 柚子陽NM