イラストSS

　シャイネンナハトのイブに、スチールグラードで散策や夕食を共にしたワルツとほむらの二人は、今日は希望ヶ浜で遊ぶことにしたのだ。ゲームセンターという奴である。
　ガンシューティングや音ゲーなどを遊んだ二人が、最後に入り込んだのは、この箱だ。
「だからこの衣装、ね！」
「あ、でもかわいくて結構いいかも……」
　衣装はワルツが意外にも積極的に推し、ほむらもまた、こちらも意外なことにノってきた。
　中二感のあるカジノディーラー風の衣装もかなり良かったが、やはり今日はこっちだ。
　と、そんな訳で――
「えー、これどうやるんですかね」
「こ、こう、じゃないかしら。きっとこれを押せば」
　撮影すると写真シールがもらえる筐体である。
「あ、です。たぶんこれで……」

　＼３！　２！　１！／

　案内の音声が容赦ない。
「わ、え、あっ」
　慌てた顔が映ってしまって、もう一回。

「ふっ……埒があかんな。一撃で終わらせるぞ、ワルツ！」
「っあわ」
　突如、不敵に微笑んだほむらは、ワルツの手を取りポーズをキメさせる。
「ふふ。これでいい。よし。行くぞ！」
「――！」
　息をのみ、覚悟は決めた。背中を合わせて、いざ。

　＼３！　２！　１！／

　――フラッシュ。

　＼可愛くとれたよ！／

　背景を選んで、画面に季節のメッセージを添えて、さっそくプリントアウト。
　きっと二人の宝物になるだろう。
「あ、あー、あの。なんかその、急に変なスイッチ入っちゃってすいません……」
　ちなみにシールはaPhoneでアプリを通すと、動いて見えるらしい。
　見るのはきっと真夜中が適切で、べしべし叩ける布団か枕か何かが必要なのだろうけれど――

＊SS担当者：pipi