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愛らしい寝顔
愛らしい寝顔
イラストSS
約束をした。
夏の日。秋の戦い。冬の涙。
どんな時でも、其方は泣かなかった。泣けなかった。
『悲しいことに負けないくらい、楽しい思い出、作りましょ!』
其方はそう言って笑顔を見せてくれた。
儚き約束。離れていても心は傍にと言ってくれた。
私はそれがとても嬉しかったのだ。
心の奥で揺らぐ熱き炎の様な感情はどういった言葉に置き換えればいいのだろうか。
私はその言葉をまだ知らぬ。
けれど、其方の寝顔を見て居ると安らぐ気持ちが大きい。
東雲色の空から注ぐ朝日を受けて輝く鹿ノ子の髪をこっそりと浚う。
美しい色の髪を起こさぬ様に撫でて。
その双眸が此方を向く瞬間を待ち望んでいるのだ。
起きたら、渡そうと思っているものがある。
お揃いの花浅葱の髪飾りだ。美しい其方の髪に揺れる揃いの髪飾りとは、少し照れてしまうけれど。
鹿ノ子も私に琥珀の飾りをくれたから。お返しなのだ。
もうすぐ強い陽光がこの部屋にも差す。
起きて欲しいような、このまま見つめて居たいような。揺らぐ気持ち。
されど、きっと何方も楽しいと思うのだ。
花浅葱の髪飾り
遮那がいつも身につけている花浅葱の髪留めと同じもの。お揃い。いつも傍に居られるように。遮那から鹿ノ子へのシャイネンナハトのプレゼント。
※担当GM『もみじ』