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ラウル・ベルの星屑みつこによるシングルピンナップクリスマス2020(横)
ラウル・ベルの星屑みつこによるシングルピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
雪が降る中、公園を訪れたラウルは小さなクリスマスツリーを見つけた。
親子連れもちらほらと降り、幼子の手には手作りなのだろうか、不格好なステッキやベルの形のオーナメントが握られている。その様子にラウルは微笑ましそうに、羨ましそうに目を細めた。
手作りなのだろうか、少し不格好なオーナメントで着飾ったツリーに目を細めラウルはそいえば以前に訪れた異世界にてクリスマスツリーの飾りつけを手伝った事を思い出した。
天高く聳える大樹に巻きつくように絡んだ電飾にモール。
彩を添える赤と金のボール。
そして天辺に輝く銀のトップスターから流れ落ちる様に垂らした白と青のリボン。
飾り付けを終えて見上げたツリーは飾り付けをする前より綺麗に思えて――。
ふっと、ラウルの意識が戻される。
公園からは人が疾うに居なくなっていて、ラウルが一人で立っているだけであった。
随分と時間が経ってしまっていた様で、急に襲ってきた孤独感にラウルは目を伏せる。
「……父さん、母さん」
幼い頃に別れてしまった家族。
一体どこにいるんだろうか。
どうか自分が見上げた空と、両親が見ている空が同じ物であります様にとラウルは星に願った。
*SS担当者:白NM