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アンナ・シャルロット・ミルフィールの黒猫による2人ピンナップクリスマス2020(横)
アンナ・シャルロット・ミルフィールの黒猫による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
「わぁ、綺麗です――!」
「本当に、綺麗ね……」
シャイネンナハト。それは特別な聖夜。
且つての夢物語に因んだその夜、仲の良い彼女達二人はこうして雪の夜景を眺めながら何時もの様に語らい合っていた。
この一年の事、お互いの事、夢物語の事、聖夜に賑わう人々の事。
(こんな夜だもん。私達だって少しは……)
話の流れか、それともこの夜の空気がそうさせるのか、ルルリアは内心でそう思っていた所で――
「アンナ、本当に今日は寒いですねーっ」
「ひゃぁっ!?」
突然の抱擁。一瞬で沸き上がった熱は触れ合った事による物か、僅かな驚愕の為か、それとも。
ぐいぐい抱き着いてくるルルリアによって寒さなんて何処かに追いやられてしまったかの様だ。
「えへへ……」
「も、もう……寒がりなのね」
――誤魔化しだ。
寒がっていたのは自分だ、とアンナは理解していた。雪夜の寒気から僅かに震えていたのに目敏く気付かれて……或いは、アンナ自身と同じ事を考えて。
抱擁による物ではない熱が幾度となく再燃する事を感じる。
こういう事をしてくるから、してくれるから、より想いが強くなるのだ。
ルルリア自身の建前もあるのだろう。揺れる尻尾と表情で喜色極まっているのが丸見えだ。
だけども――そうして、同じ気持ちである事が何よりも嬉しく思い。
だからこそ、自分もその想いに応えたいと思うのだ。
「寒いなら、もう少し近付いたら……?」
「……! うんっ。えへー。アンナ好きですー!」
そうして、輝かんばかりのこの特別な夜が穏やかに過ぎていく――
*SS担当者:黒矢NM