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三上 華の緲によるおまけイラスト
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「その姿、まるでサンタクロースみたいだね。依頼お疲れ様」
その肩をぽん、と叩く姿があった。聞き慣れた声に、人の気配に構えた華の緊張が解ける。
振り返ればいつもの顔。淡い雰囲気の優男、呂色だ。
「随分と派手にやったみたいで……それは華の血かい?」
慣れた手付きで正面に回り、手に持った手拭いで顔に、仮面についた血を拭き取る。華は少しくすぐったそうに目を瞑りつつ、安心させようと手をひらと振った。
「いや、これは返り血だ、ありがとう」
「そっか、ならいいんだ。……それにしてもクリスマスにまで依頼だなんて、どういう風の吹き回し?」
よく迷子になる華ではあるし、ふらりと何かをすることは日常茶飯事ではある。けれどもこの聖夜の夜に、わざわざ仕事をするのは流石に不思議であった。そう聞きながら首を傾げる呂色へと、華がした回答は少し意外なもので。
「赤い服を着る日だと聞いたからな。返り血を浴びたおじさんに連れ去られないようにするには、やはり血が一番じゃないかと……」
「……クリスマスはそういう日じゃないんじゃないかな?」
大真面目に答える彼に苦笑しながら、顔の朱色を拭き終わる。
華の、そして彼らの『本当の』クリスマスは今から始まるのだろうか。
*SS担当者:金華鉄仙NM