イラストSS

　星と雪。きらきら、きらきら輝いて。微睡む少女はジェック・アーロン。輝く夜に見るのはどんな夢？
　それはきっと鳥になった夢。人々で賑わう住宅地や城を抜ける。天に向かって祈る人でひしめく教会の前を通り抜ける。広大な砂漠を見下ろしながら。ビルの隙間を潜り抜けて。森を眼下に飛んでいる。海に面した港町より海をこえて。灯籠や瓦の前を通り過ぎる。蒸気と鉄錆の匂いに満ちた雪国を抜けて──空へ、空へ。
　あれは海だろうか？　遠くから眺めた大地はとても青くて。大きな惑星を中心に衛星がぐるぐる周りを回ってる。あの星の光はずっと昔から届いた光。どこまで行こうか？　そう考えた時にキミと語らいたくなった。見てきた景色をきっとキミは面白おかしく聞いてくれるだろう。きびすを返して青い星へとぐんぐん進む。ジェックの白いまつ毛が揺れる。瞬きをしながらゆっくりとまぶたを開ける。
　今日は不思議な夢を見た。荒唐無稽な話ではあるけれどキミは聞いてくれるかな？
　おはよう、ジェック。


　＊SS担当者：7号NM